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異世界の住民2【黒子のバスケ】

第9章 決着のとき……


光瑠に心臓を貫かれても、なお生きる突然変異の杲良。だが、動く力などは既に残ってもいない。

「お前は、自分自身で突然変異になってしまった。力に目覚めたかと思ったのだが…最悪な方向へと向かってしまった。お前は、人間には戻れない。残念だ、同じ神禮家で兄弟だったのにな…。」

剛也は、悲しげな声で杲良に語り掛けていた。今まで聞いていた、理彩は柚姫と光瑠に微笑みながら言う。

「柚姫、光瑠。貴方達が、犠牲になることはありません。貴方達には、まだやることがありますよ。突然変異の撃退は、皆で協力し合えばいいのですから…。」

確かに、今まで通りにやっていけば生き延びられることはできる。しかし、いつまで経っても平和が訪れることは、可能性としては低いだろう…。

「しかし、お母様―――」

「柚姫。貴方が言いたいことは分かります。ですが、神禮一族には縛られないで下さい。もう、自由なのですよ。」

「お母様…。」

「光瑠も、そうですよ?分かりましたか?」

「………はい、母様。」

理彩の優しい声で、先程、2人が考えたことをやめさせたのだ。そして、剛也は賢次、洸汰、優花の名前を順番に言う。

言われた3人は、それぞれ、はい、としっかりした声で返事をする。

「お前達、柚姫と光瑠を頼んだぞ。俺達は、そろそろ時間だ。コイツと共に、消える。」

「私達は、皆様方に仕えて良かったと思っています。剛也様のお願いしかと承りました…。」

3人の代表で言うのが、賢次だ。
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