第9章 決着のとき……
洸汰の言葉に確証を得た赤司はそんな事を言う。その通りだ。この2人は、柚姫と光瑠の父親と母親だ。
理彩は、突然変異の杲良を睨みながら静かに語り掛ける。
「貴方の野望は、全て終わりました。もう、貴方は長くないでしょう。」
「僕ハ、マダ―――」
「いいや、終わりだ。」
突然変異の杲良の言葉を塞ぐように言う剛也。剛也も理彩と同様に睨み付けて、低い声で言う。
「お前は、突然変異になってしまった。神禮家の禁忌を犯してしまった。」
今まで黙って聞いていた光瑠は、心臓に突き刺した剣を引き抜き突然変異の杲良から離れる。
その時、周りにいた突然変異達も次々と倒れていく。突然変異の杲良を刺した事で、どうやら影響が出たらしい。
引き抜かれた部分から、大量の赤い色が…血が流れ出す。右手にあった剣は、光…元の姿へと変えていく賢次。
そして、光瑠の右手も消えた。やはり、賢次が代わりになっていたと分かる。
「父様、質問します。初めて使ったのは神禮家からと聞きます。では、突然変異はどこから…?」
光瑠の質問に、剛也は息を静かに吐きだして答える。
「突然変異は、神禮家が生み出したと言われている。しかし、周りに広めない為に一度処分した筈だと言われたのだが…。」
真実の言葉に、皆は驚きを隠せない。救ったのは神禮家なのに、こんな絶望の世界を生み出したのも全ては神禮家の仕業だということだ。
「まさかと思いますが、神禮血筋を持つ人達が死なないと、突然変異は絶滅しないとか…言いませんよね?」