第9章 特訓
ケイト「力自体は、人を傷付けたりはしない。
力を使って振るう『人』が、使った相手を傷付けるんだ。
私は、もう二度と…
誰かが傷付いたり、殺される所なんて見たくない。
自分がいたせいで、誰かが悪くだとかなんていうのも
誰かが、私を庇って死ぬなんていうのも…
もう、御免なんだ…
だから…
この力は、人を傷付けるためじゃない。
護り抜くために、
気絶させるよう、加減して使うようにする。
今まで、そうし続けてきたように…
誰の血も、流させない!(拳握る」
殺せんせー「その心意気は
人として大事なものですよ、ケイトさん(微笑」
ケイト「違う。
私は、今まで全く護り通せていなかった」
烏間「?だが、お前は何度も人を護っていた。
いじめを受けるE組の先輩を護って、ここに来たんだろ?」
ケイト「うん。
だけど…
その当時
私は、自分がどうなってもいいって思ってた。
相手さえ護れれば、相手さえ幸せでいられれば…
そうやって、自分を投げ出して
私のことで、辛い思いをする人が出るのが嫌で
辛くて…苦しくて…痛くって…
私なんか、いなかった方がって…ずっと思ってた…
でも…
カルマが、解らせてくれた…
本当の意味で、護り抜いているわけじゃないってこと…
本当に、幸せにしたいのなら…
私も、無事でなければいけないってこと…
こんな私でも、幸せを望んでいいんだってこと…
父さんや母さんが身を投げ出して、私を助けてくれた。
その後、自責の念に駆られまくっていた…
それを、味あわせないためにも…
それからも護り抜かなければ
本当の意味で、護り抜いたことにはならないことも…
あの誕生日の日…
母さんは
布団をかぶる私に、このネックレスをくれた」
そうして…
語り出されたのは、昔の出来事だった。