第6章 風月流の時間
「は?」「え?」「ん?」
カルマ「へぇ。
それ、どういうこと?(らんらん」
渚(なんか
カルマ君、すっごく興味津々;)
ケイト「…目の前で、やってみせた方が早いかな。
私の場合、風と火と雷と光しか無理だった」
そう言いながら
両足を肩幅まで広げ、両拳を両脇へ抱えた状態から
上から下へと、肩も腕も落とすようにして落ち着かせる。
その直後
ケイト「カッ!)はあああああ」
目を見開き、再び構えた直後
凄まじい風が、ケイトを取り巻いた…
ビッチ「なんなのよこの風!;」
ケイト「風月流、弐式(にしき)。
人に見せたのは、皆が初めてだ」
渚「えっと…
弐式ってことは、壱式もあるの?;」
ケイト「正解。
壱式ってのは…
風月流の力の使い方によって生み出された
『剛と柔』の絶大な威力を発揮する技かな。
剛の剣の極地、
それは衝撃波で周りを完膚なきまでに吹き飛ばし、
全てを無効化する攻防一体の剣。
片手で震度5強を起こす。
柔の剣の極地、
それは剣筋が目に見えぬほどに、
鋭く速く適確に完膚なきまで斬り伏せ、
全てを跡形もなく斬り刻む剣。
片手で風力8の嵐を巻き起こす。
ってな感じかな」
渚「人の力を超え過ぎてるよ!;」
ケイト「それができなきゃ
できるまでやらされるんだよねぇ…;
実際、父さんも祖母も出来てたらしいし」
茅野「お父さんの風月流派の親って、母親だったんだ」
ケイト「うん。
音速以上で移動しているものの
周りの空気は、音速以上で動くけれど、
それ以外の空気は、
音速以上の速度(約340m/s)で変化が伝わらない。
その音速以上で動いている空気と
普通の空気の間には、
当然のことながら「圧縮された薄い層」がある。
この境が到達すると、
その部分だけいきなり圧力が大きくなっているため、
破壊や爆発音を感じる。
これが『衝撃波』。
剛の剣の極地とは
その衝撃波で周りを完膚なきまでに吹き飛ばし、
全てを無効化する攻防一体の剣。
剛とは、音速以上を極めた速度で刀を振った直後、
それによって発生させた
『圧縮された「超高密度の空気層」』を
周囲へと展開させて叩き付けることで、
襲い掛かってくる敵全部を一瞬で吹き飛ばすと同時に
気絶させることを言うんだよ」