第30章 アメリカの時間2
眉間に皺を寄せながら…
ケイトは、目を伏せていた…
暗雲による影が、ケイトへかかる中…
その心境を、切実に表しているかのように…
葬式で、左手を見た…
何も残らない、何の温もりも伝わってこない…
その上、それよりも
周囲にされた「冷たさ」が…
未だに、ふつふつと残っていた…
確かに交わした約束も…
温もりが宿った小指も…
時が過ぎ、傷を得る度、消えていく…
失われていく…
過ごした時が…
確かな、願いが…
叶わぬ願いだと、思い知る度に…
カルマ「…ケイト…」
ケイト「私さ…
本当の意味で、自分を大事になんてできてなかったんだ^^;
辛いはずなのに…
胸が張り裂けそうで、苦しいはずなのに…
大切にする大事さ、教わったはずなのに…
考えずにはいられない…
これを聞いても、苦しまないだろうかって…
でも…
何でかな…
それよりも…
聴いて理解して欲しいって願う、自分がいるっ;
大事なはずなのに;
ごめん…;
ごめん…;」
そう、溢れ出す涙を止め切れず
押さえようとする意思とは裏腹に、流れ続けていく…
カルマ「…ケイト…
俺は、絶対に居なくなんてならない…
絶対に…
絶対に、ケイトの傍に居る
たとえ離れたとしても
また、何度でも戻ってくる
すぐに、駆け付けるから…
だから…
俺は、絶対に放さないし
離さないから」
そう言いながら、強く優しく抱き締めるカルマ
それに対し…
ケイト「ありがとう…
ごめんね…気を遣わせて;」
カルマ「遣ってないよ、かけらも。
それよりも…
ケイトを泣かせるのが、許せないだけだから(真剣」
ケイト「…そっか(微笑)
…そっか^^」
そう、憮然と答えるカルマに対し
ケイトは嬉しそうに笑った
その想いを噛み締めながら…
カルマ「おやすみ(微笑」
そう言いながら、軽く起き上ったままのケイトを
ベッドに押し倒して、横抱きしようと優しく抱き締めた。
ケイト「…おやすみ^^」
それに身を任せながら、互いを抱き締め合い
そのまま安らかに、穏やかな眠りについた…
そんな不安を打ち消す、闇夜に光る光明と共に…
温かな想いと、絆と共に…
笑顔を浮かべながら…