第30章 アメリカの時間2
本当は、泣きたかった
(目の前に広がるのは…
血の海と、あの日の炎と満月…)
誰かに、聞いて欲しかった
(小さい時、必死に
涙ながらにでも、走る姿…)
それでも…
嫌な思いを、味あわせたくなんかはなかった…
(辛くもいながら、笑う姿…)
だから…
切り捨てていくしか、方法が思い浮かばなかった
その想いでさえも…
(広い家の中、一人でいるケイト…)
そうして…
笑顔で居れれば、相手も笑ってくれて…
(いじめがない世界へ戻り、笑うと…
相手も、笑顔になってくれて…
それに対し
とてもたまらなく、嬉しそうに微笑む…)
それが…
私にとっての光明だったんだ
(笑顔が、明るく眩く見えていた…)
だから…
それが、大好きだから…
(それに目を奪われ、思わず笑顔が浮かんでいた…)
それ全部が、私の全てだったから…
(笑っていて欲しい…
幸せでいて欲しい…
そんな切実な願いと共に…
また、満面の笑顔を見せるケイト…)
そんなこともまた、皆に伝えた…
ずっと…
そう思って、今まで生きてきた事も…
今までの、押さえ込み続けてきた想いも…
無視し続けてきた…
泣き狂い、崩れていく過去の自分も…
(ただ一人、広い暗闇の中…
泣きじゃくるケイトが見える…)
だからこそ、今がとても輝かしく嬉しい…
(笑っている皆と、共に過ごした日々が…
浮かんでは消えていく…
その中、ケイトは笑っていた…
とても…嬉しそうに……)
そんな想いと共に、安心と嬉しさから…
心から笑った…
すると…
皆もまた、笑顔を浮かべてくれた…
昔から変わらない
小さい時から見てきた
『大好きな、笑顔で』…
それがたまらなく嬉しくて…
思わず、皆に抱き付いた…
その後…
学「俺が車で送るよ(微笑)
行くんだろ?
小さい時、両親と行った
ユニバーサル・オーランド・リゾートへ」
ケイト「頷く)うん^^」
だが
今からだと、時間がかかるため
途中まで、車ごと
近い距離まで、瞬間移動させてから行くことになった…