第30章 アメリカの時間2
こけた人を、助けようとしたことがあった…
「大丈夫?」
そう、左手を差し伸べた…
しかし…
返ってきたのは…
「触るな!
このっ、化け物っ!!」
その左手を、全力で払われ
あまつさえ、突き飛ばされた…
一体、何がいけなかったんだろう…
助けるという事が、ダメ?
違う…
人が人を助けるのに、理由なんていらない…
それと同様に
助けることが…悪には、ならないはず…
そう、思っていた…
そうして、今まで
信じた道を、突き進み続けてきた…
自分で、自分を嫌いだと思いながら…
自分で、自分を責め続けながら…
最終的には、どれだけひどい罵声を浴びせられても…
何も感じなくなってしまった…
逆に、それに対して笑顔で応えるようになった…
相手を、笑顔にしたい…
自分がいるせいで、不快な思いを味あわせているのなら…
せめて…
どんなことをされても耐えるから…
笑顔で、幸せでいて欲しい…
それ以外、何も考えられなかった…
自分のことを考えず、人の為だけに生きて…
それで、自分を犠牲にすることを喜ばない人が
すぐ近くに居ることを…私は、気付けずにいた……
カルマに渚にカエデに竜馬に
E組の皆…
今では、数え切れないほどの想いが
共にあるように感じられる…
でも…
まだ、迷っている…
自分自身を嫌いなままでいて
今も耐えられるようにあるべきか…
それとも、自分自身を大事に出来るよう
好きになるべきなのか…
人にするのと同じぐらい…
自分もまた、大切にすべきなのか……
そんな…長年に亘り
積み重なり続けてきた想いを、皆へ伝えた…
その言葉通りに、ストレートに…
ただ、ありのままの自分でいさせてくれた
そんな居場所で居てくれた、皆だからこそ…
何も包み隠すことなく…
そのありのままの想いと共に、伝えることにした…
しかし…
返ってきたのは、意外な答えだった……