第30章 アメリカの時間2
追憶と共に、思い返されることは…
遠い、過去の出来事だった…
火事から助け出し
力があることを、わいわい言われ
信じてみせた…
だが、返ってきたのは…
化け物という言葉と
他の人とは違う
『集中すれば、周りが見えなく聞こえなくなったり
滑舌がそれほどよくなかったり
名前で呼ばれないと、自分のことだと解らなかったり
しっかり考えてから答えるため、返答が遅くなるなど』の
点があるという事から
いじめられる要因になっていった…
普通の人が持ってない力もまた、要因の一つだった…
人格ごと、全てを否定され…
孤立させられ、常に一人でいさせられた…
話しかけてくる人もいなかった…
話しかけても…
いいものが返って来る事は、決してなかった…
常に、そういった傷がまとわりつき
言葉の暴力…
それだけでも、壊す威力は持っていた…
少しずつ…
少しずつ、壊れていく…
自分という、一つの人格もまた…
殺されていく…
そう…
一度は、殺された…
傷付いても、傷付けられても、
殺されかけても、殺されても…
それでも…
自分に、その要因があるからいけない…
その言葉をうのみにして
自分を責めることしか、出来なかった…
だから…
やめてとはいっても、やめられないのなら…
それら全部を…
受け入れ続けるしかなかった…
誰も、味方はいなかった…
助けようとする人もいなかった…
好きという人も…
当時、血の繋がった家族以外には居なかった…
だから…
自分を嫌いになるしか、耐える方法はなかった…
いじめられていて、人格的にも
存在的にも否定され続けて…拒絶され続けて……
そんな自分が、自分にできることは…
自分自身を、嫌いになることだった……
そうでなければ…
耐えることさえ、出来なかった…
自ずと、それが続くたび…
そうすることが、当たり前のようになっていた…
それを否定する人もいなかったから…
そんな風に考える自分の部分さえ
見ようとする人でさえも…全く、居なかったから……