第28章 安らぎの時間
ケイト「…私は…
あの日、言った言葉を今も思ってるよ…
『誰かが傷付く所なんて見たくない
もう、同じ思いを味わう人を出したくない
私が傷付くことで、皆が傷付かないで済むなら
いくらだって傷付く
私は、いくら傷付けられてもいいから…
お願いだから…これ以上、傷付けないで欲しい』って…
バカみたいだけどさ、本気なんだ。
…ずっと、そればっか考えて生きてきた…
自分なんかを大切に想ってる人のことなんて
考えてもみなかった…
そんな人は、今まで…
誰も、いなかったから…
でも…
今は、違うんだ…(微笑)
それが嬉しくて…
それと同時に、変わることで
誰かを失ったり、傷付くのが嫌でさ…
今も…ずっと悩んでばっかりだ…
でも、それでいい…
ちゃんと一歩一歩踏みしめない奴に
奥深い人生なんて、築き上げられるわけないから…(微笑」
携帯を介して、律を通して
黙って聴いてくれている皆を感じながら
思いのまま、言葉を連ねていくケイト…
その顔は、真剣なもので
それでいながら、今の幸せを噛み締めるかのように
笑顔で微笑んでいた…
カルマ「いつも思ってたけどさ…
ずいぶん、重みのある言葉だよね…
悪ふざけする時はからっからなのに」
ケイト「それけなしてるでしょ;」
カルマ「うん」
ケイト「即答するなよ!!;」
カルマ「どっちもどっちってことで♪」
ケイト「まったく…;
まあいいか(微笑)
カルマ…」
カルマ「ん?」
ケイト「ありがとう…本当にありがとう…
私、まだ本当に強くなれてるかなんてわからないけど…
皆が居れば…十分だよ…
すべて失って、また一人になるよりも…
すっごく幸せすぎて…
どうしたらいいか…解らないぐらいに…(うとうと」
カルマ「うとうとしてなかったらいいのにね」
その話している場所は…
ホテルにおける、ケイトの部屋であった。
ケイト「ん…(うつらうつら)
ごめん…眠い…
力、急激に働いたせいか…
ぐー」
カルマ「微笑)…
おやすみ」
それを、微笑みながら…
愛おしげに見つめながら
ベッドで眠るケイトの頭を撫でて
自身の唇を、そっと頬にあてるカルマだった…