第26章 伏魔の時間
すると、二人の男が声をかけてくる
「やぁ、お嬢さんたち。女だけ?」
「俺らとどうよ、今夜?」
次から次へと声をかけられる現状に頭を抱えながら、
片岡が拒絶しようとすると、矢田が前に出て…
矢田「お兄さん達、かっこいいから遊びたいけど、
あいにく今日はパパ同伴なの私達。
うちのパパ、ちょっと怖いからやめとこ?」
そうしてみせたのは…
「ヤ、ヤクザのエンブレム!?」
「し、しかも確か…少人数だけど凶悪で有名な…」
バッチを見せると、すぐに男二人は怯えて立ち去っていった。
一方、ユウジの相手をする渚はお酒を薦められていた。
怪しまれないように、女口調でそれを断る渚
渚「女子チームが目的を果たすまで、
不自然にならないようにつながないと…)
…ユウジ君はさ、親と来てるの?」
そう聞くと、ユウジの親は有名な人らしく、忙しいらしい。
しかも大物で、何やっても揉み消せるほどの。
無意識に親自慢してしまい、
ユウジはイラついたようにタバコをとる。
渚「それ、タバコじゃないよね?もっと危ない……」
ユウジ「最近はじめてよ。
俺らの歳でこういうの、している奴がかっこいいんだぜ」
すると、
渚はユウジが吸おうとしていたタバコを取り、こういう
渚「学校の先生が言ってたよ。
吸ってかっこよくなるかどうかは知らないけど、
確実に生きづらくはなるだろうって」
だが…
ユウジ「生きづれぇんだよ、男が元々!
男はよ、無理にでもカッコつけなきゃいけねぇんだよ。
俺みたく、いつも親と比較されてりゃなおさらな。
お前ら女はいいよなぁ、
最終的にはかっこいい男選ぶだけでいいんだからよ…」
ふてくされたようにユウジは言い出した…
その言葉に複雑そうにする渚
渚(うちの女子は
もうちょっとしっかり考えていると思うんだけど…)
そう思いながら渚は
反応に困りながらも、ただただ苦笑するばかりであった…;