第26章 伏魔の時間
ケイト「だって、学さんは
とても優しい人だから…
今でも自分を責めて…
苦しんで…
それでも、解決できなくって…
人として、凄く大変なことを頑張り続けてきた…
そんな学さんが、親友じゃないなんて思えない。
少なくとも…
父さんが言っていた学さんは、そういう人だったよ…
人としての苦しみを知り
その上で償うことが出来る「立派な人」だって…
「そのおかした罪からは…
逃げる人が大勢いる。
それでも、あいつは戦うことを選んだ。
ちゃんと向き合って、ちゃんと立ち向かって
戦って、勝ち抜くように頑張ってきた…
だから、俺は誇りに思っているよ…
あいつを、親友に持てたことを…
あいつを、掛け替えのない
大事な存在として、傍に居られたことを…
今も、強くな^^」
…父さんから
学さんの悪口は聞いたことさえなかったよ…」
学「…(じわっ」
その言葉に、目に涙がたまっていった…
学「あのバカヤロウ…;
なんだって、こんな俺のことっ!;」
ケイト「…父さんは…
学さんのことを、心から信じていた…
例え、死ぬことになったとしても…
殺されることになったとしても…
ずっと、大事な掛け替えのない親友だって…
俺は、あんなあいつだから大好きなんだって…」
学「っ;…うっ;;」
抑えきれない想いと共に
涙があふれ出していく…
止めようとする思いとは裏腹に
次々に、想いが超えていく…
共に過ごした時と共に…
共に分かち合い、育み合った想いと共に…
溢れだしていく…
それを見ながら、ケイトもまた
涙を流していた…
その、父親の想いが
学の心に届くことを、感じながら…
その、温かさと共に
泣きじゃくる学さんに対して、
その頭を撫でながら、満面の笑みで笑いかける悟の姿が
ケイトと学の目に、浮かびあがりながら…
二人は共に、その温かさに泣いていた…
共に、心までは救われていなかった…
常に、心を傷付けられ続けてきた…
その罪悪感が
その想いによって、浄化されていくのを感じながら…