第26章 伏魔の時間
悟「憎しみの道の先は…
死、ばかりだ…
お前の大切なものを失い
お前まで失うことになる。
それでも…いいのか?」
そう、辛そうな顔をしながら言う悟に
俺は言った
学「もう…失うものなんてねぇよ。
両親は、大学の頃に死んだ。
あいつだけが…
全てだったんだ……(拳握る&涙震え)
だから俺は…
世の中に存在するのは
愛よりも憎しみが多いと思っている」
悟「…ああ。確かにそうだ」
学「ピクッ)だったら!」
悟「だが…
だからこそ、愛がどれだけ大切なのかが解るんだ。
憎しみがはびこり、怒りがはびこり
哀しみがはびこり、痛みがはびこり続けている…
いつまでも、生きている限り
一生、伴い続ける…
戦い続けるしかないんだ…
それと戦って、勝って…
そうじゃなければ…
この先になんて、いけやしない。
そうじゃないと…
そればかりに、とらわれることになり
人として、間違ったことをしてしまうことになる…
それにとらわれて
目を向けることが出来なくなるほど
いっぱいになったのは…俺でもわかっている。
それでも…
だからこそ、償わないといけないんだ…
償って、愛おしい家族のために…
お前の愛した妻を護り続けてくれていた、大事な家族のためにも…
生きなくては、いけないんだよ…」
学「…;(ぽろっ)
俺は…;何で…;」
そう、涙が流れた…
その顔が頭をよぎり、何で殺したのか…
そういう、自分への怒りや悲しみと共に…
泣いていた…
悟「俺は、いつでも待っている。
お前が出てくるのを、ずっと待ってるよ…
だから…
帰って来い…
必ず帰って、幸せになろう。
そうじゃないと…
何のために生き残っているか解らないだろう?(涙目」
そうして俺は…
自首する道を選んだ…
だが…
ここから、歯車はくるっていく…
いつでも、予期しない方向へ…
思いもよらぬ結果に繋がるとは…
思いもしないまま…