第26章 伏魔の時間
ゴキゴキと音を鳴らしている手に殺せんせーは
殺せんせー「素手…
それが、あなたの暗殺道具ですか;」
グリップ「素手ならば、色々と殺すのに需要がある。
身体検査に引っかからぬ利点は大きい。
近付きざま、頚椎をひとひねる。
その気になれば、頭がい骨も握りつぶせるだろう。
だが…
あいつの腕は、それら以上で相当なものだった…
両手を使って、やっと折れるほどの強度だったぬ。
だが、面白いものぬ。
人殺しの為の力を鍛えるほど、暗殺以外にも試したくなるぬ。
すなわち、戦いぬ。
強い敵との殺し合いだぬ。
だが、がっかりぬ。
お目当てがこのざまでは、試す気も失せた。
今も縛り付けられている、あいつとの戦いの方が
余程楽しみぬ(微笑」
カルマ&寺坂『ピクッ)!』
それに対し
僅かながら反応を示す二人と、皆。
グリップ「ザコばかり一人でやるのも面倒ぬ。
ボスと仲間を呼んで、皆殺しにしてから
あいつと戦うぬ」
渚「!」
そう言いながら、トランシーバーを取り出した直後
それを、ハンマーでガラスごと潰した。
カルマ「ねぇ~、おじさんぬ。
意外とプロって普通なんだね。
ガラスとか頭蓋骨なら、俺でも割れるよ?
っていうか、速攻で仲間呼んじゃうあたり…
中坊とタイマン張るのも怖い人?(微笑」
『!!』
烏間「よせ!無謀だ!!」
殺せんせー「ストップです、烏間先生」
グリップと相対するカルマに
烏間先生は慌てて止めようとするが、
それを殺せんせーが止めた。
殺せんせー「…アゴが引けている。
今までの彼なら、余裕をひけからせてアゴを突き出し
相手を見下す構えをしていた。
でも、今は違う。
口の悪さは変わりませんが、目はまっすぐ油断なく、
正面から、相手の姿を観察している。
テスト以来、少々なりを潜めていましたが、
どうやら、敗北からしっかり学んだようですね(微笑」
グリップ「いいだろうぬ。試してやるぬ」
グリップは上着を抜き、戦闘態勢をとる
それに対し…
殺せんせー「存分にぶつけなさい!
高い大人の壁を相手に!」
ゴングの鐘のように、その声が響いた…