第26章 伏魔の時間
ちょうどその時は…
E組たちが、毒ガス使いに襲われているよりも前だった…
「ああ。
そういえば
折れた状態のままだったな、左腕。
元の形に戻してやろう」
ぐぐっ
折れた左腕を、力技で
強引に元通りの形に戻そうとする
ケイト「ぐっ;」
「悪いが、平行になるようにする。
加減は出来ないぞ?お前のためだ」
ケイト「ぐっ;ああああああっ!;」
折れた状態の部分を握られ
動かせられ、耐えられずに悲鳴をあげる
しかし…
その音は、その部屋にしか響かなかった…
「これでよし。
固定しておけば、自然と治るんだろう?
それと、この部屋は防音付きだ。
どれだけわめこうが、意味などない。
大人しくしていれば、何もしない」
ケイト「…ありがとう^^
…父さん(微笑」
「!」
それに、少し驚いたかのような
そんな表情をした雰囲気を、僅かに感じ取った
だが…
ケイト(あれ?
何で私、この人のことを
そう思ったんだろ?
なんか…父親であって、父親じゃない…
昔、あったことがあるような…
でも…何だろう…違う…誰?)
そう、思っていた…
「ふっ。
お前の腕を折れと指示をした俺に、礼を言うとはな。
つくづく、バカげた甘い奴だ。
せいぜい奇怪な力を使って、
ワクチンを届けようとしないようにな(微笑)
まあ、そうすれば
即座に爆弾で爆破させるから、やめておいた方がいい」
そう含み笑いをしながら語るそれは…
顔を見せることも無く、再び去って行った…
ケイト(う~ん;
縄抜けはできるけど、今やったら確実に壊されるか;
どうすればいいかなぁ;
血や肉や骨をなんとかってのはないらしいけど;)
そう考える中…
「ああ。そうだ。
何かされる前に、気絶させておくという手もあるな。
首を絞めろ、気を失って動かなくなるまでな」
その言葉に…
金髪の、髪が肩まである男が動いた
ケイト「!!
(私の左腕を折った人!?」
その直後…
首を掴まれ、凄まじ過ぎる力を加え続けられたことで…
ケイト「っ;
…ぅっ;(がくっ」
息が出来なくなり…
気を失った…