第25章 南の島の時間
そうして…
カルマと同じ班であったためか…
一時期、イルカと和解し合いながら
ケイトは遊んでいたはずだったが…
シュノーケルをつけて、水に潜ったままだった…
ケイト(…このまま…沈んでいきたい…)
その脳裏に浮かび上がるのは…
祖父母の時の情景…
小学3年、3学期の3月
火事の現場から、同級生の男子を助け出し
その後、信じない同級生から嘘だと言われ
本当だと、自分から力を軽く見せ…
それが要因となって
「化け物」と、いじめられていた…
そんな中でも、祖父が
入院している祖母へ行きながら
「迎えに行ってくるよ(微笑」と言われて…
学校へ行く時、手を振りながら…去って行った…
とても…嫌な予感がした……
それでも、学校に行った…
本人が、そう望んでいるのが
見て取れたから…
そうして…
再び、いじめを受け続ける…
それでも、自分は化け物じゃないと思っていた…
やり返さないように、傷付けないように…
そればかり、考えていた…
だが…
その日、帰ってきたのは……
6限目に入ろうとしていた時
先生「田中!至急、職員室に来い!!
緊急の電話だ!!帰る準備もするように!!」
そんな時…
私はただ、呼ばれただけなのかと思っていた…
それでも…
その後の電話で伝えられたのは
祖父母が死んだことと、家で倒れてることだけだった…
必死に走った…
学校から家まで、走って走って…
走り続けて……
そうして…
持ってた玄関のかぎで、あけようとした
思わず、手が震えた。
それでも、何とか頑張って開けた。
そして、ドアを開けて…
入ってみると…
そこに広がっていたのは…
血の海だった…
そこからが…
悪夢の、本当の始まりだった…