第4章 田中恵土(たなかケイト)
何も返って来ない…
ケイト「…ははっ…
そうだ…私が殺したのも同じだ…
私が死ねば、よかったんだ…
私の命も、存在も…何もいらない…
だから神様!
私を消していいから!
私なんか、壊れてもいいから!!
どうなってもいいから!!
父さんと母さんの命を返して!!!
私の命なんていらない!!!!
それ以外、何もいらない!!!!
お願いだから…
二人を返してえええええええ!!!!!」
自嘲気味に笑い
叫んでも叫んでも…
願っても願っても…
何も…応えるものはいなかった…
ケイト「っ;…うっ;…
うああああああああああああああああ!!!!!!;」
それに
しゃっくりをあげながら
泣き叫んだ…
その時の天気は…
まるで、その心中を表すかのように
雷が激しく鳴り響き、激しい雨の降っていた。
決して消えぬ傷
決して消えぬ想い
それらがただ
心の傷を、未だに癒やせずにいた…
そうして現在…
山の、洞穴の中
ケイト「ん…」
泣きつかれて眠っていた時に
誕生日の翌日=3月21日
病院で目を覚ますまで、みていた悪夢を…
再び、呼び覚ましていた…
ケイト「あれ?
父さん。母さん。
何で遠くにいるの?
待ってよ。
待ってったら!
待ってよ…
置いてかないで…
一人にしないで…
もう、一人は…」
去っていく両親に対し
走りながら手を伸ばした瞬間、目を覚ます。
その頃、時を同じくして
カルマ「あのいじめと事件によって
「歪んだ人」と、『それでも真っ直ぐな人』…
それが「寺坂」と、『ケイト』ってことか)
もうそろそろ着くよ」
振り返ると、皆も息を荒らしながらも走っており…
ケイトのいる、洞穴に着こうとしていた。
ケイト「…また…あの夢か…
やばい…眠い…(がくっ」
そんな中、ケイトは眠りについていた…
いじめの後
ケイトが、どんな心情だったのか…
事件の後
どんな心情で過ごしていたのか…
それらが
殺せんせーが、マッハで聞きに行っていたことで
着くまでの間に
過去の全てが、クラスの皆に明らかになっていたことを
再び、眠りにつくケイトには
知る由もなかったのだった…