第4章 田中恵土(たなかケイト)
今から4年前、10歳の誕生日の翌日=3月21日
ビシャーン!!
ゴロゴロゴロ!
たったったっ
ばぁん!!
ケイト「はっ。はっ。はっ」
病院で目を覚ましたケイトは
家まで走っていた。
それから玄関の扉を慌ただしく開け
息を切らしながらも、入っていく。
ケイト「ごく)…父さん?…母さん?」
つばを飲み込みながら、入っていく。
ケイト「…父さん!?…母さん!?」
きょろきょろしながら、探し続ける…
それでも…
行く所、行く所…
全て、誰もいなかった…
夢であって欲しい現実…
母によって、離れていく手と手…
木に落ち、枝がクッションとなり
それでも…両親を助け出したい一心で
体を引きずりながらも、車が落ちた場所へ…
そこは…火で燃え盛る車の残骸
手を伸ばし、その中…意識が遠ざかり…
ふと、目を覚ませば…病院にいた。
両親は即死だと、看護師たちの話から聞いた。
それから、必死に
雨の中、何もささずにこけそうになりながらも走り続けた…
だが…
その現状は、それを確信に変えただけだった…
ケイト「…どこ?」
響くのは、ただの声
ケイト「…どこにいるの?」
どれだけ問いかけようと、帰って来るのは…
自身の声だけだった。
どさっ
ケイト「;…私の…せいだ…
私が…いたせいで…
あいつらの、言った通りだった…(ぽたぽた)
私さえ、いなければ…
最初から、こんなことにならずに済んだ…
…居なければよかったんだ…最初から…
私さえいなかったら!
父さんも母さんも死なずに済んだ!!
いじめた人たちも、悪いってことにならなかった
誰にも、嫌な思いを味あわせずに済んだ!!!」
涙が落ちていくと共に、その場にひざまずき
拳を握り締めながら、叫んだ。