第24章 夏休み
両親の死も関わっているのも知っている…
けれど…
俺はまた、それを改善させることなんて出来なかった…
苦しんでいるケイトを
ただ、見ているしか出来なかった…
安心させる一言しか、無理だった…
あいつがいつも、そうしてくれたみたいに…
あいつは、人として段々大人になって
俺はまだ、子供のままだって解ってる…
それでも…許せなかったんだ…
ケイトに
あんな仕打ちをした、この世界自体が…
だが…
ケイトは、それごと好きだと言ってくる
それがあったから、俺に会えた。
だからこそ、今救われたんだと…
あいつが…
カルマが、ケイトを救った…
昔の時の、ありのままの…
自由なケイトが、戻ってきたように感じた…
どこまでも明るく、温かい…
眩しい笑顔を見せる、ケイトに…
と、同時に
嫉妬もしていた…
けど…
俺は、あいつの喜ぶ顔を見たら
どうでもよくなっていた…
それが、一番見たかった顔だから…
それが…一番逢いたかった、ケイトだから…
そうして…
気付けば、俺も笑っていた…
気持ち悪いと感じていたはずのE組で…
触手野郎の手の平の上で踊らされていることに
気持ち悪くなっていたはずだった…
それでも、それさえも
あいつは晴らしてくれていた…
だから…
俺はあの時、焦った…
流されていくあいつを見て…
震えが止まらなかった…
また、傷付けたんじゃないのかと…
それと同時に、無事を祈っていた…
あいつのことだ、絶対大丈夫という思いと
あいつを失ってたまるかという想い…
二つの想いがある中
俺は、俺にできることをやろうと思った…
あいつも、それを望むと解っていたから…
結局、俺は…
あいつを、助けてやれたことなんてねぇままだ…
いつも助けられて、いつも護られて…
ずっと、救われ続けているまま…
だから俺は…
『あいつの傍にいる資格なんかない』と、思っていた…