第4章 田中恵土(たなかケイト)
俺がそう叫びながら睨む中
「化け物の味方をするのかよ!?」
男子が叫び、問いかけてきた。
寺坂「…こいつは…化け物なんかじゃねぇ。
いっつも明るくて、優しくて、あったかい。
底抜けに純粋で、悪いことが出来るような奴じゃない。
気付かずにやっていたんなら
指摘されなきゃ、わからないような奴だ。
そん時は…
悪気があって、やってるわけじゃねぇ…
なのに…
それを理解しようともせずに、お前らは傷付けた!
ずっと…
そうやって、何かと理由づけて!…
自分たちが正しいんだと、正当化し続けて!!…
お前らにとっちゃ、こいつは『化け物』でも…
俺にとっちゃ…大事な『ダチ』だ!!!
お前らは、そいつを理解しようともせずに
人格も全部否定し続けて!
壊して!
一年を台無しにした!!
心の中で傷付いて泣いて
そんな風になるケイトを、何とも思わねぇで
平気で、一年も傷付け続けてきた!!!!
そんな腐った、お前らの方が
よっぽど『化け物』だ!!!!!!」
その叫び声は、学校中に響き渡った…
その状況を知っている
俺のクラスメイトもいて、先生に言っていた。
それにより
俺やケイトに非はないのだと、証拠は既にあった。
だが…
解ってはいても…我慢ならなかった。
それで、そいつらクラスの連中を殴り飛ばそうとした
だが…
ケイト「やめて…」
絞り出すような声と共に
ケイトが、俺の体を抱き締めた。
寺坂「離せ!こいつらは、お前を!!」
振り返りながら、腕を振り切ると…
そこにいたのは…
泣きじゃくるケイトだった…
ケイト「ぐす…やだよ;
誰かが傷付く所なんて、私は見たくない;
もう、同じ思いを味わう人を出したくない;
私が傷付くことで、皆が傷付かないで済むなら
いくらだって傷付くから!;
私は、いくら傷付けられてもいいから…;
お願いだから…これ以上、傷付けないで…;(涙」
裾を掴みながら、ケイトは涙と共に
泣きじゃくりながらも言い切った…
自分が味わった思いを
誰かに、味あわせたくない。
そういう思いなのだと…
相手を想ってこそのものだと、本当は解っていた…
だが…