第22章 期末の時間
烏間「いいのか?あそこまで言って」
近くにいた烏間先生がその殺せんせーの対応に
疑問を投げかけた
だが…
殺せんせー「ご心配なく。
立ち直りが早い方に挫折させました。
彼は、多くの才能に恵まれている。
だが、力ある者はえてして未熟者です。
本気でなくとも勝ち続けてしまうために
本当の勝負を知らずに育つ危険がある。
大きな才能は、負ける悔しさを早めに知れば
大きく伸びます。
テストとは、勝敗の意味を
強弱の意味を、正しく教えるチャンスなのです。
成功と挫折を胸いっぱいに吸い込みなさい、生徒達よ!
勝つとは何か、負けるとは何か。
その意味を今!
私が最後まで気付けなかった。とても大事な事だから」
そんな中、晴れ渡る天気のもと
風は優しく吹いていた。
校舎へ歩くカルマに対し
出てきた生徒が、一人いた。
カルマ「!」
それを見て、目を見開くカルマ…
ケイト「…」
それに対し、黙ったまま
数学の、満点のテスト用紙を見せつけるケイト。
田中恵土(ケイト) 総合491点 学年1位
カルマ「むっ)…どういうつもり?」
ケイト「…私は
一年の時、お前に負けてる」
カルマ「!」
ケイト「あの時のお前は、真面目に勉強してた。
負けるのが嫌で、頑張って頑張って…
結局、私は負けた。
堂々と負けた。
負けたって事実は変わらないから
次に繋げるために、必死に頑張り続けた。
そうして…
今までずっと、引き分け続きだった…」
カルマ「…何が言いたいの?」
言いたい意味が解らず、尋ねるが
ケイト「私が、負けたと認められる相手は
お前だけだ」
カルマ「!!」
ケイト「私は、お前たちの知っての通り
根っからの負けず嫌いだ。
生きてる間、巻き返せれば負けじゃないって思ってる。
でも…
お前だけは違う。
お前とは…
カルマとは…
一生、ずっと戦い続けていきたい(微笑」
そう微笑むケイトに対し
その真意がわからず、少し?を浮かべるカルマ…
果たして、その真意とは?