第22章 期末の時間
その後…
この騒ぎはたちまち、全校生徒の知る所になった…
安易な約束をしてしまった五英傑は
そのことを浅野に謝った
瀬尾「悪い浅野。
くだらん賭けだと思ったが、
あいつら生意気につっかかってきたもんで(汗」
浅野「まぁ、いいんじゃないかな。
その方がA組にも緊張感が出て」
その言葉にほっと息を吐く4人
浅野「ただ、あとでごねられても面倒だから、
ルールを明確にしておこう。
勝った方が命令はひとつだけ。
内容はテスト後に発表する」
小山「一つだけか。ちと物足りないなぁ」
榊原「で、こちらの命令は?」
榊原がそう聞くと、
パソコンを開き、
ものすごい勢いでキーボードを打ち始める。
すぐにそれが終わってから
浅野「この協定書に同意する。その一つだけ」
4人にそれを見せる
浅野「全50項に渡り、彼らE組はA組に従属を誓う。
その代償として、
僕らA組はE組に正しい生徒像を指導してあげる。
両者、ウィンウィンの地位協定だ。
そして…
ケイトを再び、僕らのクラスに連れ戻す」
その内容に、小山は笑いだす
小山「きしゃしゃしゃしゃ!
ひとつと言いつつ
奴隷扱いの49項と、引き渡しの1項。
ウィンウィンとはよく言うぜ(微笑」
榊原「これ全部、今一瞬でひらめいたのか?
恐ろしいやつだ」
浅野「恐ろしい?とんでもない(苦笑)
生徒同士の、私的自治に収まる範囲の軽い遊びさ。
民法はあらかた収めてある、
その気になれば、人間を壊す契約だって…(黒」
その言葉の意味に恐ろしさを感じる4人。
浅野「皆!
僕がこれを通して言いたいのは
やる以上、真剣勝負だってことだ。
たとえどんな相手あろうとも、本気を出して向き合う!
それが皆を照らす僕達、A組の義務なんだ!」
そう浅野は訴えかけ
それに対し、A組は同意するように叫んだ。
榊原(こいつが皆をまとめる言葉はきれいごとだ。
皆、それを承知の上で熱狂的についていく。
奴の偽善的な勝利を信じて…
まさにエースのA組、絶対的なエース。
浅野学秀、奴にまさる生徒はここにはいない
ただ、一人を除いては…)
そう、視線を向ける先には…
旧校舎があるであろう場所だった…