第4章 田中恵土(たなかケイト)
小4、春
ケイト「…竜馬、私…
『友達だからね』って、女子から言われて
それでも…お金取られたんだ…
ずっと、お年玉も小遣いも貯め続けてたやつ…
髪の毛短いから、私に間違いないって…
一緒に買い物行った時、2万円のカーペット払わされたって
だから2万円返してって;」
寺坂「何言ってやがんだ!!
俺以外に友達なんていなかっただろ!?
行動を共にした奴なんていなかっただろうが!!
ふざけんな!!!!」
その時は…
ただ、だまされているってだけだった…
俺が取り返して
そんな女子たちの目の前で渡した時、声が聞こえた…
「ちっ。あともう少しだったのになぁ」
そうして…
俺の知らない所で
何かが、確かに起きていた…
小4の夏休み、8月
ケイト「私って…
居ない(存在しないという意)方がいいのかな?(うつむく」
二人で勉強中、俯いたまま
ケイトが呟いた。
寺坂「ん?」
それに聴き返してみるも
ケイト「はっ)何でもない^^;」
はぐらかされるだけだった…
だが、その顔は…
いつも見せていた、笑顔ではなく…
底抜けの、明るい笑顔じゃなくなっていっていた…
時が経つ毎に、表情も暗くなり
はしゃぐことも、明るく笑うことも少なくなっていった…
正月の時…
いつもなら、もっとはしゃぎまわって当然だった…
それでも…
途中で、急ブレーキをかけるかのように
それらが全部、止まった…
それで…何度聞いても、答えようとせず
笑って、はぐらかされ続けるだけだった…
と言っても…
そのケイトの笑顔は…
『辛そうな、笑顔』だった…
それを、おかしいと感じた俺は…
3学期の時、ケイトのいる教室を覗きにいった…
すると…目に入ったのは…
頭に、ものをぶつけられながらも
ひどい暴言を吐かれながらも
クラス一丸となって
気に食わないと、ケイトをいじめていた所だった…
苦しいはずなのに笑い、
何も抵抗しようともせず、先生に言おうともしない
もし言ったとしても
それを信じてもらえない上に
クラスが一丸となって『違う』と言うのだから
当然なのだろうが…
それは…異様な光景だった。