第21章 ビジョンの時間
(そう思いながら、寺坂は走っていた…
いるはずであろう
殺せんせーのもとに…)
俺は…
あの後、ケイトがされたことと同じことをやった…
あいつらに、でかい態度で叫んで…
そうすれば、大人しく従っていた
俺の方が強いんだと思わなければ…
やっていられなかった…
そうして俺は…
自分が強いんだと思っていた…
いや、思おうとしたんだ…
弱そうなやつにターゲットを決めて、支配下に置く。
それで俺は楽勝だった。
だけど…
この学校じゃ、その生き方は通じなかった…
ここでは、勉強の成績が全て。
「どんなにガキ大将が威張っても
E組に落ちたら、無条件で弱者なんだから」
弱そうな奴でもこう言う
「君、成績ビリだよね?
楽しみだなぁ、E組に落ちた君に
石、拾って投げつけられる日が」
俺が持っていた安物の武器は
ここじゃ、一切役立たないと
この時、悟った。
しかも、たぶんこれから一生そうなんだと。
こいつらみたく、
先々を見据えて努力する奴が大人になって、
俺みたいな無計画な奴を支配するんだ…
……落ちこぼれのE組に落ちて、
同じような目的のない連中と楽に暮らせると思ってたら、
そこでも違った。
いきなりモンスターがやってきて、
クラスにでかい目的を与えちまった。
取り残された俺は
ここでも目的があって、計算高いやつに操られて使われてた…
(そうして、イラついたように小石をける寺坂)
辿り着いたのは…
殺せんせーとイトナが戦っている所だった…
水を吸った殺せんせーはイトナにやられまくっていた
シロ「触手の数を減らし、
その分パワーとスピードを集中させた。
単純な子供でも操りやすい」
そのやられっぷりにE組に動揺が走る
寺坂「水だけのせいじゃねぇ」
そこに寺坂も現れ、言った
寺坂 「力を発揮できねぇのは、お前らを助けたからよ。
見ろよ、タコの頭上」
そこには…
木にぶら下がっている、原の姿があった。