第21章 ビジョンの時間
それでも…
一緒にいたいという気持ちとは裏腹に
こいつにE組というレッテルを貼らせたくねぇ。
だから、何度も突っぱね続けた。
E組に落ちてからも、何度も…何度も…
それでも、あいつは変わらなかった…
変わらず、優しい笑顔を向けて笑っていた…
それがこそばゆく、とても大事なものだと思った…
だから…こいつにだけは、無下には出来なかった…
苦しませたり、泣かせることしか出来なかった…
それごとお前が受け入れてくれたから、俺は…
お前を、俺自身の手で助けたかった…
それでも…
よりによって、あいつ(カルマ)にとられた。
いきなり降ってわいたように来た触手野郎に
E組の連中に…
あっという間に溶け込んでいって
不安も闇も吹き飛ばすように、笑ってやがる。
そんな所が…小さい頃から好きだったのに…
何も出来ていねぇ…
そんな俺が…
こいつの傍にいる資格なんかねぇ…
そう、思っていた…
ケイト「大丈夫だよ?
誰が何と言おうが、竜馬は竜馬。
大事な、掛け替えのない幼馴染なんだ。
だからさ…
信じてるよ、ずっと…^^」
そうして、笑顔をまた向ける…
夕暮れの中、まるで太陽みてぇに…
温かく、優しく…全てをありのままに包み込むバカ…
そんな奴に惚れたばっかりに、変わっちまった。
それでも、それ事こいつは大好きだと言ってくれた。
たまらなく、嬉しかった…
E組も、触手野郎も嫌いだった…
だが…こいつだけは、嫌いになれなかった…
頼むから…生きて欲しい…
あの時みたいに…
がけ下に落ちて燃え上がる車を
見てるだけしか出来なかったような…
あんな…
無力感しか感じないようなのは、もう二度と御免だ!
だから頼む…無事でいてくれ!!