第16章 球技大会の時間2
そんな様子に、全校生徒達も
変な流れになってきたぞと訝しがる。
野球部の監督も
寺井「馬鹿な!?
進藤クラスの速球を
狙った場所に転がすのは、至難の業だぞ!(汗」
前原「へっ、どうよ。
こちとら、あれ相手に練習してんだぜ」
周囲の反応に
コロ監督を見ながら、そう言う前原。
時を遡ること、練習時…
~回想~
殺せんせー「コロピッチャーは300キロの球を投げる!
コロ内野手は分身で鉄壁の守備を敷き!
コロキャッチャーはささやき戦術で集中を乱す!」
殺せんせー「次は対戦相手の研究です。
この三日間、竹林君に偵察してきてもらいました」
竹林「面倒でした。
進藤の球速は、MAX140.5キロ。
持ち球はストレートとカーブのみ。
練習試合も、9割方ストレートでした」
杉野「あの剛速球なら
中学レベルじゃ、ストレート一本で勝てちゃうのよ(苦笑」
杉野は補足するようにそう言う
殺せんせー「そう!
逆に言えば
ストレートさえ、見極めればこっちのものです。
というわけで、ここからの練習は
先生が進藤君と同じフォームと球種で
進藤君と同じにとびきり遅く投げましょう」
『!』
殺せんせー「さっきまでの先生の球を見た後では
彼の球など、止まって見える」
~回想終了~
試合に戻り、磯貝もバント攻撃で塁を出る
殺せんせー「したがって
バントだけなら、十分なレベルで習得できる」
殺せんせーがそう言うと
磯貝が撃った位置は、ラインぎりぎりだった。
これでノーアウト満塁
そして、ここで野球経験者の杉野登場!
杉野は殺せんせーのサインを見て、バントの構えに入る。
少なくとも、その様子に進藤は動揺する。
それはまるで、銃で狙われているような感覚。
進藤(なんだ?
何なんだ、こいつら…。
俺が今、やってるのは野球なのか!?)
杉野(確かに、武力ではお前にはかなわねぇ。
けど、たとえ弱者でも
狙い澄ましたひとさしなら、
強大な武力を仕留めることが)…できる!!」
その言葉通りに、杉野はヒットを繰り出す。
それにより、E組に3点入り、杉野は3塁まで来た。