第15章 番外編:GWの時間
カルマ「俺もまぁ…
実際そうだったから、ケイトの気持ちもわかる気がする…
人間不信に陥ってもおかしくないのに
再び人間を信じようとするなんて…
相当、芯や心が強くないと無理だって思うしさ…」
ケイト「私は…強くなんかない…
不安になってばっかりだ;」
ぽとっ
月明かりを眺めながら、話していた。
けれど
そんな音に、思わずケイトに顔を向けると…
泣いていた…
ケイト「ホントは…
人間なんて、大嫌いだって思ったことがあるんだ…
それでも、全員がそうじゃなくて
だから嫌いになり切れなくて!
だから…
ずっと、我慢してきたんだ…
その人じゃない。
怒りをぶつけるのも
恨むのも、その人にすべきことじゃないって…
そんなの…
どっちも苦しいだけだって!!;
…今も、心の奥が痛いんだ…
苦しくて、吐き出したくて…
…それでも……
それでも…
それをむやみやたらに周囲に当ったって…
周りが辛いだけじゃんか…
同じことを、やってるだけじゃんか…
そう思って、そう考えて…
結局…我慢するしかなかった…
どこにぶつければいいのかなんて、わからない…
どう解消させればいいのかさえ、解らない;…
ただ、同じ苦痛を味あわせたくないって想いが…
それだけが、一番強くって…
だから、耐え続けてきた…
それだけなんだ…
今だって、本当は…
心が引き裂かれそうな痛みばかりが駆け巡って…
たった一つの痛みや苦しみで
全部思い返されて…っ;
どうしたらいいのかさえ解らない…;
解らないんだっ;;」
そう、声を震わせながら…
袖で涙をぬぐいながら言うケイトに…
初めて、弱みを見せて
弱音を漏らしたケイトに…
俺は…
何も言わずに、抱き締めた…
ただ…居てもたっても居られなかった…
それぐらい大事だということしか
俺の頭にはなかった…