第14章 球技大会
ケイト「理事長…
あんたの判断は、間違っていなかった…
だから…
私は今、ここに居るんだ(微笑」
そう、真っ直ぐな目で理事長を見つめるケイト…
理事長(なるほど…
眩しいほど、真っ直ぐな眼と『光』…
どれほど洗脳しようとも、かからないわけだ…
彼女のそれは
人の心を打ち抜くだけの力を宿している)
ケイト「ずっと…一人だった…
孤立させられて、それが当然だって思ってた。
けれど…
今はもう、違う。
おかげで、大事なことを知れた。
皆で、分け合って
共に、乗り越えることの大切さを知った。
はけ口なんかじゃない。
共に受け入れ合い、共に進んでいく。
私は…
そんな『E組』として、ここに居る。
それだけは…絶対に変わらない。
どこまで行こうが
どこまで生き永らえようが…
私は、椚ヶ丘中学校の『E組』
田中ケイトだ(微笑」
理事長「…そうか。
非常に、残念だよ(苦笑」
顔を少し曇らせながら、呟いた…
ケイト「理事長…
最後に一言だけ、聞いて下さい。
なぁに。手間なんて取らせない。
ただの、自分の意地みたいなものです。
よかったら、聞き流して下さい」
そう言いながら、ボールを持ちあげ
理事長へ差し出すように向き合いながら、こう言いだした。
ケイト「あんたは…完璧超人だ。
でも…
どうあっても、譲れないものがある。
ついさっき言った『E組であること』。
それと…『バスケ』と『格闘術』だ!
他じゃ、あんたには何だって負けてもいい。
けれど…
これだけは…誰にも譲れない!
絶対にだ!!」
その眼は…
理事長に、あるものを思い出させていた…
そうしてボールを渡し、
ベンチへと立ち去るケイト…
理事長(なぜだ…
なぜ…
彼女(ケイト)の姿に
彼(池田)の面影が、頭をよぎる?)
理事長は…
その背を見ながら、
ひとり…感慨にふけっていた…