第14章 球技大会
ブザーと同時に
見事に決まったダブルハンドダンクに
歓声が沸き上がった直後…
バキッ!!
強過ぎる力に耐えきれず
リングが割れ、リングごと…
ケイトは、壁へと叩きつけられそうになった…
が…
理事長「計算通りだよ(微笑」
ぼふんっ!!
理事長の機転によって配置された
分厚いマットに…助けられたのだった。
ケイト「理事…長…はあ、はあ」
理事長「立てるかい?
見事な、ブザービーターだったよ(微笑」
ケイト「0秒時に叩き込んだって感じだよ。
バスケ部の皆、べったりマンツーマンしてきたから」
息を荒らしながら答えるケイト。
理事長「十二分に上出来だったと、私は思うよ(微笑」
ケイト「この目…何か企んでるんじゃ…)
はあ…はっ。
ありがとう…ございます(ぺこり」
理事長「さて…
ここで、少し話の論点がずれるんだが…」
ケイト「?」
理事長「…君をE組にいれた
私の判断は、間違っていたようだ。
A組に戻ってくる気はないのかい?
今なら、すぐにでも転入できるようにするが…
悪い話じゃないだろう?」
そう誘ってくる理事長に対し
ケイト「…すみませんが、断ります」
理事長「ほお…どうしてだい?(微笑」
ケイト「…私は、今まで
誰にも言えないぐらい、悩んできた。
言う相手が大事過ぎて
誰にもいうことなんて、できなくなっていた…
けれど…違っていた…
話すことで、傷付けるぐらいなら
ずっと我慢しようって思ってた…
それが逆に、自分を傷付けて不幸にしていた…
それでも、相手が幸せならって
それ以外、何も考えないようにしてた…
私にとっては…
それが、全てだったから…
でも……
でも…
E組に来れたから…
私は、救われた。
それを…
そんな風に不幸になって欲しくない人がいるってこと…
理解されようともせず、否定され続けて…
ずっと、全力でぶつかることさえもできなくなってた…
そんな私を、受け入れてくれたのが…
E組だったんだ(真剣」
真剣な瞳と共に、語られる想い…
それはとても…重いものだった…