第13章 梅雨
紀元前660年、神武天皇…
日本でいう、初代天皇であり
天照大神の子孫である。
それよりも遥か昔…
天之御中主神がいて、日本人がいた頃…
ある一人の女性と
『恋』に落ちました。
その女性は…
人でありながら、純粋で
明るく、温かな笑顔を見せ
相手のためを、一番に考える人でした。
人間として近付き
彼女と接触を試みました。
その後…
二人は、互いにないものを得合い…
結ばれることとなりました。
しかし…
持つ神の力が…
全ての源の力であり、強大過ぎるため
子は、一人しか作れませんでした。
そうでなければ…
体が、一度目は力の存在自体に耐えれても
二度目までは耐え切れず、死んでしまうから…
それから…
生まれてくるのが
女性であっても、男性であっても
子は一人という定めになってしまいました…
そうして時は流れ…
子が独立し、妻が死ぬと…
去っていきました…
自ら、
円墳のような標高1500mの山を作り
その前に祠を立て
ある力を持つ者しか、入れないようにしてから…
自らが持つ力と
同じ力を持った子孫が、生まれた時のことを考えて…
そうして…
古墳時代、三世紀後半…
隔世遺伝…
(祖父母や、それ以上前の世代から世代を飛ばして
遺伝しているように見える遺伝現象のこと)
天之御中主神と
全く同じ力を持つ人間が、子孫の中に現れました…
その者の人格は、妻と同じで
どれほど強大な力を持っていようとも、
正しいことのみに、使おうとしました。
そして…
度々ある争いによって
一族が護り抜き続けてきた、山で
修業をすることに決めました。
その後…
それによって、野生動物を相手に身につけた格闘術
風月流格闘術が生まれ
一族が、生き永らえることを願い
幸せを手にすることを願って、託すことにしました…
紀元後386年3月20日
風月流格闘術が生まれたと同時に
その日は、その初代が生まれた時でもありました。