第12章 もう一人の転校生
ケイト「…ふっ。
どうだろうな…(微笑」
シロ(…笑った?)
ケイト「確かに、
私は、掛け替えのないものを失った…
(母からもらったネックレスを握る)
けれど…
託された想いは、今もここで息づいている
それを忘れ、怒りに満ち溢れ
それを当たり散らして殺す道の先…
そんな所のどこに、平和がある?
皆が皆、願い
そうあって欲しいと、心から想う…
寄り添い合う、大切な人の存在する世に
共に、どんなことがあっても生き抜いていきたい…
もしも…
お前たちの掲げる力や強さが『普通』になれば…
そんな小さな願いさえ、叶えられなくなる!
そんな強さの先には、何も残らない!!
そんな道の先には…平和も幸せもない!!!
そんな所に…
死んでいった人たちの願いなんかあるかっ!!!!」
シロ「私よりも幼いくせ…
心だけは、一丁前だな(微笑」
そう鼻で笑うシロに対し
ケイト「何とでも言え。
先人たちの願いは、私がついえさせはしない!!」
構えるケイト
シロ「構える相手が間違っているよ。
構える相手は私ではなく、イトナだ」
その言葉と共に襲い掛かろうとするイトナだが、
力を見ようと、シロが力が出るまで止める。
シロ「…君の力、使いたいのなら使えばいい。
この目でぜひ、見ておきたいからね」
そう、目を細めながら楽しそうに言うシロ
ケイト「…わかった(微笑」
左手を握り、
親指と人差し指と中指だけを立てて叫んだ。
ケイト「風月流…参式!」
新たな力が…
今ここに、光と共に見参しようとしていた…