第12章 もう一人の転校生
ケイト「皆。
悪いけど、手は出さないってことでよろしく」
シロ「ルールは簡単。
死ぬか、気絶するかだ」
ケイト「お好きにどうぞ」
殺せんせー「待って下さい!
そんな試合形式、教師として認めるわけには」
ケイト「黙れよ」
皆『!!』
ケイト「…私は
今まで、ずっと信じ続けてきた『信念』を…
今まで、相手を大切に想う『想い』に懸けて
ずっと頑張り続けてきた、あの日々を…
あいつらの掲げる『強さ』よりも
本当の意味で、人として強い。
強さとなり、力になる…
それを、証明したい。
だから…頼む…
邪魔をしないでくれ…
これだけは、死んでも譲れない…
私は、本気なんだっ!!!」
拳を握り、今までの日々…
相手を想う『想い』ゆえに
護るため、修業を必死に続けてきたこと…
それまでに遭った、出来事も思い出していた…
杉野「こりゃ、とめられねぇな;」
渚「うん」
カルマ「見守るしかないって感じだねぇ」
茅野「…ケイトちゃん…
凄く、辛そうな顔をしてるね」
教室にいる各々で、そう言い始めた。
シロ「祖父を、実験材料として殺された君が…
よく、人のことを信じられるようになったね…
たった、9歳の時に…
ああ、その時はちょうどいじめられていて…
それから病院嫌いになったんだったね…
実験材料として、好き勝手にいじった医師たちも…」
そんなケイトへ…
シロは、過酷な過去を投げつけた。
ケイト「うるせぇよ…」
拳を握り、震えさせながらも呟く
シロ「ああ。
君の両親を殺したのは
君の父の、幼馴染だったそうだね…
あの夜、酔っぱらった彼は
君の同級生の親の狂言を信じ…
君ごと、殺そうとしていた…
母親に護られ、父親に託され
何も護れずに、生き永らえてきた君に
強さなんて言葉の意味が解るのかな?」
そう、試すかのように尋ねるシロ