第10章 修学旅行の時間
その直後…
「たぁーっ!!!」
その猪を蹴りで止める、同い年の子供が現れた。
母猪「ぴぎぃっ!;」
そして飛ばされながらも
背にいる子猪を護ろうと懸命に立ち上がる母猪
それに、そっと手をかざす子供。
「…そっか…
子を護ろうとしたんだね。
いきなり蹴ってごめんね^^;
子供と一緒におかえり(微笑」
すると…
意思が通じたように、途端に猪は大人しくなり
子を連れて、山奥へと分け入って行った。
「大丈夫?」
カルマ「う、うん」
「あ。怪我してるね」
そう言いながら
こけた時にできた傷口に
そっと手をかざす子供。
すると…
熱を帯びていき、気付けば…
カルマ「!…治ってる」
「こんな山奥に入ってきちゃダメだよ?
たまたま私が修行中で、奥にいたからよかったけど…」
カルマ「!
ごめんなさい(お辞儀」
でも…その時、カルマは思っていた。
こんな風に、強い人になりたいと…
「でも、無事でよかった^^」
そう言いながら、カルマの頭を撫でる。
カルマ「あのっ。
どうやったら、そんなに強くなれるの!?」
そう尋ねるカルマ。それにケイトは…
ケイト「…そうだなぁ。
己の信じる正義を貫くため…
必死で頑張っていれば、いつの間にか強くなってた」
カルマ「?せいぎ?
それって、何?」
ケイト「んー。
人の道にかなっていて正しいことかなあ。
たとえば…
今日みたいに、危ない目に遭っている人を助けるとか。
その時、相手をなるべく傷付けないよう
一発で気絶させるとか…
私にとっての正義は
相手を、大事に思いやること!(微笑)
それだけだ!^^」
カルマ「わぁ)…そうなんだ…
じゃあ、俺も頑張ったら強くなれるかな?(キラキラ&拳握る」
ケイト「なれるよ!^^
だって君、すっごく真っ直ぐな目をしているんだもん^^」
そう木漏れ日を背に笑うケイトに
カルマもまた、満面の笑みを浮かべていた。
そうして二人は別れ…
同じ中学になって、E組で再会し…
幾多の時を過ごすまで、カルマもまた気付かなかったとか…