第10章 修学旅行の時間
それにカルマは微笑みながら
月明かりの中、ケイトを見ていた。
カルマ「俺さ…」
ケイト「?」
いきなり話し出すカルマに
顔をのぞくように、目を向けるケイト。
カルマ「実は…あれが
ケイトとは、初対面じゃなかったんだ」
ケイト「ええ!!??;(驚く」
カルマ「…やっぱ、気付いてなかったんだ^^;」
ケイト「え!?;いつ出会ってたの!?;」
カルマ「…小さい時の話なんだけどさ…
聞いてくれる?(微笑&首傾げ」
軽く、首を傾げながら
ケイトの顔を覗き込んで、尋ねるカルマに
ケイト「う//うん//(頷く」
こっくりと、頬を赤らめながら頷くケイト。
それにカルマは満足そうに微笑み、語り出した…
~時を遡ること、十年前の夏~
まだ4歳だったカルマは
興味本位から、山に入って行った。
誰も連れずに…
赤い色で書かれた
『立ち入り禁止』の、プラカードの意味も解らず…
そうして…
小さな猪がいて
それを追いかけて捕まえました。
可愛いと思ったカルマは
笑いながら、撫でていた時…
子猪「ぴぎーっ!!!」
小さな子供の猪は
野生であったためか、悲鳴のような声を上げ続けた。
そして…
大きな母親猪がやってきた。
母猪「ぎいいいいいいいいいい!!!!」
カルマ「ビクッ!!)…」
撫でられていた子供を見ると
凄まじい大声で鳴いた。
子をさらわれた、凄まじい怒りと共に…
それに体を震わせて驚き
その拍子に、子供は母親の所へと戻り
そうして、その母親猪は…
カルマへと突進しようとしていた。
それを見たカルマは
咄嗟に走って逃げようとするが
木の根っこにつまづき、こけた。
そして、
そのまま振り返ると
猪が何度も
後ろ脚で地面をけり上げており
突進するつもり満々だった…
そんな中…
声も出ず、震えるカルマに
母親猪は、突進した…