第10章 修学旅行の時間
茅野「さっきの写真、
真面目な神崎さんが、ああいう時期があったんだね。
ちょっと意外…」
茅野がそういうと、
神崎は、自分のことを話し始めた。
神崎「うん、うちは父が厳しくてね。
いい学歴、いい肩書きばかりを求めてくるの。
そんな肩書き生活から離れたくて、
名門の制服を脱ぎたくて、
知っている人がいない場所で恰好を変えて、遊んでたの。
馬鹿だよね…遊んだ結果、得た肩書きはエンドのE組。
もう、自分の居場所が分からないよ…」
辛そうに呟く神崎に対し
そんなところへ
騒いでいたはずの不良のリーダーが話しかけてきた。
「俺らと仲間になればいいんだよ。
俺らも肩書きとか死ねとか、主義でさ。
エリートぶっている奴を台無しにしてよ、
なんつーか自然体に戻してやるみたいな?
俺ら、そういう遊び、たくさんしてきたからよ」
茅野「さいてー」
そんな言葉を聞いて、茅野は呟いた。
それを聞いて、むかついたのか
茅野さんの首をつかみあげる。
「なに、エリート気取りで見下してんだ。
おめぇもすぐに同じレベルまで落としてやんよ」
そう言った後、ソファに落とされる茅野。
「いいか、宿舎に戻ったら涼しい顔でこう言え。
楽しくカラオケしてだけですってな。
そうすりゃ、誰も傷つかねぇ。
東京に戻ったら、皆で遊ぼうぜ。
楽しい旅行の記念写真を見ながらな(微笑」
すると、ドアの開く音がした。
「おっ、来たか。うちの撮影スタッフがご到着」
そこにいたのは、ぼこぼこにやられた人。
渚「修学旅行のしおり、1243ページ。
班員が何者かに拉致られた時の対処法。
犯人の手掛かりがない場合、
まず会話の内容や訛りなどから地元の者か、
そうでないかを判断しましょう。
地元民でなく、さらに学生服を着ていた場合、1344ページ。
考えられるのは、相手も修学旅行生で、
旅先でおいたをするやからです」
そこにいたのは、渚たちだった。