第10章 修学旅行の時間
渚「…この鉄骨、血がついてる。
きっと、これで殴られたんだ。
たまたま近くにあった、角ばった細い鉄骨で」
冷静に分析する渚
杉野「それが置かれてあったのが
ここだったってわけか。むごいことしやがって!(ギリッ」
右拳を、左手の平に打ち込みながら怒る杉野。
奥田「ケイトちゃん!;ケイトちゃん!;」
そう叫びかけながら泣きじゃくる奥田。
そんな皆に対し…
カルマは、横たわったままのケイトに
感情やらなんやらで一杯になり、何もできなかった…
ケイト「っ…
あれ?…みん…な…
奥田「ケイトちゃん!;」
だい…じょ…ぶ…だった?
ごめ…きぜ…して」
渚「動いちゃダメだよ!」
起き上がろうとするケイトの
その肩を押さえる渚。
ケイト「それ…より
しおり…ぜんぶ…読んでた…から…
はっ…
そこ…に…らちら…れた…時のたい…しょ…が…」
息を多少とぎらせかけながら
必死に、呟くように話しかけるケイト
杉野「いいから黙って寝てろ!;ひでぇ血だぞ!;」
カルマ「…殺す(ぼそり」
奥田「え?」
その時、カルマは…
怒りが…マックスオーバーになっていた…
その言葉と共に立ち上がり、走り出そうとするカルマに
渚が静止するよりも速く
ぎゅぅっ
カルマ「!」
ケイト「…」
カルマが、右足を引き留められた違和感から振り返ると
ケイトが…カルマの右足のズボンのすそを掴んでいた…
ケイト「れいせ…なって…
しおり…読めば…大…丈夫…
血も…止まって…き…
(かくっ)すー」
とぎれとぎれながらも
その言葉と共に
力が抜けたかのように、ケイトは意識を手放した。
その後…
しおりを読んで、ある程度落ち着いた後…
殺せんせーへと連絡し
ケイトを寝かせた場所を伝えると同時に
各々の、とるべき行動へと移ったのだった…