第6章 恋の策謀事件(上)
「なんで・・・なんだよ。」
ヘルメスはあの出来事があって以来しばらくぼおっとしていた。
「なあ、ヘルメスどうしたんだよ。」
そこにヘファイストスがヘルメスの所にやって来た。
夕食の食事の席でヘルメスがどさっと座ったので何があったのかとヘファイストスが聞いてきたのだ。
「いや、別になんでもない。」
ヘルメスはあの出来事を早く忘れたかったのと自分の中だけにしまっておこうと思ったのだ。誰かに話すと余計に話がこじれるのが怖かったヘルメスは今を振り返りこう語っている。
「何かあったら相談に乗るからさ。いつでも言えよ。」
ヘファイストスはそう言ってヘルメスを励ましてくれた。
「うん、ありがとう。」
ヘルメスは作り笑いをしたが必死でその場を取り繕っているしかなかったのだ。
失恋と聞いてみなさんは女性の方が重く感じると思ったことはないでしょうか?しかし彼は心に深い傷を負っていた。
あれから時が経ってだんだんそんな出来事も忘れていこう、とその時だった。アフロディティーにキューピッドという恋人ができたことで思い出したのだ。
この日もアフロディティはキューピッドとデートに出かけて行ったといっても学校の敷地内だけであるが。ヘルメスはそんな2人を影から見つめるようになった。