第6章 恋の策謀事件(上)
それからしばらく日が経った。ヘルメスはアフロディティーにいつ話そうかとそわそわしていた。そして授業終わりにアフロディティを呼び出すことに成功したヘルメスは気合を入れていた。
「それで、話ってなんですの?」
アフロディティーは静かにヘルメスに聞いた。
「えっと・・・。」
ヘルメスは目の前の彼女に口ごもってしまった。
「そのことなんだけど・・・。」
「ささっと言いなさいよ。」
アフロディティーに急かされてヘルメスはとうとう彼女への想いを告げた。
「ずっと前から好きでした。よかったらお付き合いしてくれませんか?」
ヘルメスは彼女に深々と頭を下げました。しかし彼女から意外な言葉が返ってきた。ヘルメスはこのままうまくいくと思ったからだ。
「タイプじゃないのよね。」
「え?」
「私とあなたじゃ合わないと思うのよね。だからごめんなさい。」
アフロディティーは軽く頭を下げて去って行った。
こうしてヘルメスの淡い恋は終わりを告げたのだった。