第14章 キルケの秘密と魔法の扉
翌日の放課後はタレス先生のいる研究室を3人で訪れることにした。
コンコンとノックする。
「おや、誰だろう?入りなさい。」
ガチャッ。
「失礼します。」
ケンタウロス達は軽くお辞儀をして研究室に入って行った。
「誰かと思えばケンタウロス君に ディオニューソス君とウンディーネさんじゃないか。どうしたのかね?」
「あの、タレス先生に聞きたいことがあるんですけどお時間いいですか?」
ウンディーネがタレス先生にワクワクして聞いた。
「まあいいだろう。椅子を用意するから座りたまへ。」
タレス先生が椅子を持ってきてくれたので座って聞くことにした。ケンタウロスは床に腰を下ろしていた。
「あの、ディオゲネス・ラエルティオスさんの『ギリシア哲学者列伝』に参加していたのは本当でしょうか?」
ウンディーネがタレス先生に聞いた。
「ああ、懐かしいもんが出てきたようだね。それは昔、私が若かった頃に誘われて書いたものだよ。直々にディオゲネス・ラエルティオスさんから手紙をもらってぜひ参加してほしいと言われたので書いたまでだよ。まぁ、大したことは書いてないがね。私がまだ教師になる前のことだよ。」
「有名な哲学者がずらりといる中でタレス先生の名前もあったなんて素晴らしいですね。私はとても感動しました。ギリシャ七賢人に選ばれて光栄だったと書かれていたのですが、どうしてギリシャ七賢人に選ばれたのですか?」
ウンディーネはワクワクしていて聞きたいことが次から次へと出てきていた。タレス先生は1つ1つを丁寧に答えてくれた。
「実はディオゲネスさんとお会いする機会があってね。彼が書きたいと言っていたギリシア哲学者列伝の打ち合わせでね。そこでギリシャ七賢人というのを知ったんだよ。ギリシャ七賢人は私の他にもソロンやキロン、ビアスそれからクレオブロス、ミュソンもいたんだが彼らも私と同じようにギリシア哲学者列伝に参加した人なのさ。他にはアリストテレス先生やピタゴラス先生も参加していたから話を聞くといいと思うよ。」
「そうですか。ありがとうございました。」
ケンタウロス達はお辞儀をして研究室を後にした。
「アリストテレス先生とピタゴラス先生も参加していたなんてこれは聞く価値がありそうだわ。」
ウンディーネは笑顔でそう言ってスキップをしていった。