第6章 恋の策謀事件(上)
翌日も平穏な時が流れていた。そんな中ヘファイストスは昨日のことを考えていた。
「どうしてあんなデマが流れるのかな?」
もしヘルメスの言ったことが本当なら大問題になるがキューピッドの母親がアフロディティーなんて余りにも出来すぎている話であるのは間違いなかった。ではキューピッドの母親は一体誰なのか?噂では貧乏の女神のペニアではないかという声が囁かれている。美神アプロディテーの子として名高い愛の神エロスは、何と本当はペニアの息子だというのだ。これはどういうことなのだろうか?ペニアはまんまと泥酔中のポロスににじり寄り、強引に添い寝を果たして身籠もってしまった。こうして生まれたのがエロスなのだ。なんとアフロディティーの壇上に湧いているパーティーでボロスが酒に酔い酔っ払い庭で寝ていた。貧乏の女神のペニアはおこぼれでご馳走がもらえないかと玄関先で待っていたところ偶然にん庭で寝ていたボロスを見つけたわけだ。果たしてキューピッドの母親が本当に彼女なのか気になるところですね。
ヘファイストスは授業中窓の外を見つめて頬杖をついた。本当はキューピッドに直接聞いた方が速いのかもしれないがそれはやめておこうと思ったのだ。でも、本当はこのことを知りたかったのではなくもっと他に知るべきものがあるのだろうと自分に言い聞かせてた。まだから見る景色は見事に秋晴れで日が差し込む教室は私暖かな空気に満ちていた。先生が黒板に字を書く音と生徒達がノートに向かいペンを走らせる音だけが教室中に響き渡っていた。