第5章 ホーラの女神様達
女神様達は先生とデマゴーグの話に耳を傾けた。するとそこにお茶を運んで来た小姓がデマゴーグに何か聞いてた。
「はて、デマゴーグさんは何故我らの学校においでなさったのですか?」
するとデマゴーグが微笑んでこう言った。
「そうですね。私は元々は民衆指導者を指していたのですが堕落してしまいましてね。もっと市民の声を聞かないといけないと思ったのです。そこでまずはこちらの学校に問い合わせたところ校長先生が承諾して下さり学校改革へと力を入れようとして今に至ります。」
「なるほど。でも何故幾何学のタレス先生と話をなさっているのですか?校長先生と話せば良いのでは?」
小姓がそう質問するとタレス先生がこう言葉を返した。
「校長先生が忙しいため代理を努めております。」
「そういうことでしたか。これは失礼しましたそれでは私はこれにて!」
小姓が去っていった後デマゴーグが話を切り出した。話の内容はやはりデロス同盟のことだった。話を進めていくうちにデマゴーグの実態が徐々に明らかになった。この時エレーテが3人に聞いた。
「デマゴーグってたしか民衆指導者を指すけど、アテナイではペリクレスの死後、クレオンを初めとする煽動的指導者が続き、衆愚政治へと堕落した人じゃなかったかしら?」
「そうだったわね。彼は言葉巧みに人を誘い・・・はっもしかしてタレス先生から危険のサインが出ているわ。」
エウノミアがはっとして後ずさりした時でした。ドアにドンっとぶつかりデマゴーグとタレス先生に気がつかれたのかと思った。
「誰かそこにいるのか?」
これ以上この部屋にいるとばれる危険性があるため、ホーラの女神様達はそっとドアを開けて部屋から出ることにした。
パタン
「はあ、見つかるかと思ったわ。」
4人の体はいつの間にか元に戻っていた。
「本当よね。行きましょう。」
4人はこのことをケンタウロス達に知らせようと思った。なのでケンタウロス達の寮へ行き寮監督のギュム先生に許可をもらいに小走りした。先生に許可をもらい、ケンタウロス達を呼んでもらって彼女達のパシフィスタ寮の談話室で話しをしようと思ったからだ。しかしこれは実現されることはなかったのだ。さて一体なぜなのだろうか?