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時と光と風の中で

第5章 ホーラの女神様達


次の日になった。いつものように授業が終えた女神様達は4人で廊下を歩いていた。するとどこからか声がした。
「何なの?」
4人はあたりを見回した。すると遠くの方で人が2人歩いているのが見えたので角に隠れていた。
「あれは一体誰?」
4人は眉をひそめてじっと歩いている人を見ていた。すると段々歩いている人がこちらに近づいてきて誰なのかわかってきた。
「あれはタレス先生よ。そして隣の人は?」
エイレーネが首を傾げてそう呟いているとタレス先生の隣にいる男性が気になった。そう、あれが紛れもなく張り紙事件の犯人デマゴーグだったなんてケンタウロス達は知る由もなかっただろう。しかしホーラーの女神様達は彼が誰なのか直ぐに分かった。
「あれは・・・デマゴーグ?」
エウノミアがデマゴーグと思われる人物を見て囁くように言った。
「そのようね。でも何故彼がこの学校へ来ているのかしら?不思議でならないわね。」
エイレーネは3人にタレス先生とデマゴーグの2人の跡を追うように促して歩き出した。歩いている間も歩きながら話している2人の会話が気になった。
しばらくすると先生とデマゴーグがどこかの部屋入って行くのが見えた。そこで女神の4人は透明になり跡を追った。ドアが開いたそのときが部屋の中に入るチャンスだ。4人は慎重に素早く中に入った。
バタンとドアの閉まる音が聞こえ先生とデマゴーグが向かい合わせで席に着くと小姓が2人にお茶を運んできた。その様子をホーラの女神様達はじっと見ていた。本当はつばを飲み込みたい所ですがごくりと音がするのが聞こえてしまいそうだったのでやめた。
「あっ2人が話し始めたわ。」
エレーテが小声でみんなに言った。
「これはデマゴーグさんわざわざ私達の学校へおいでくださりありがとうございました。」
やはりあの男の正体はデマゴーグだったのである。
「いや別にかまわんが。デロス同盟の件はどうされますかね?」
女神様達はデロス同盟の言葉に耳を疑った。
「デロス同盟ってあのデロス同盟?」
エウノミアが3人に聞いた。
「ええ、そうよ。アケメネス朝ペルシアの脅威に備えて、478年にアテナイを中心として結成されたポリス間の軍事同盟のことよ。」
エレーテがそう説明している間にも彼らの話は続いてた。





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