第5章 ホーラの女神様達
2時間目の授業はウラノス先生の獣の乗り方の授業でした。この授業はいつも外で行いますが雨の場合は屋内でも乗れる小さな獣に乗ったり獣の操作の講義など中でもできることをします。この日は晴れていたため生徒達は先生と外へ出た。
「やあ、みんな。今日はこの獣に乗ろうと思う。Come on!」
ウラノス先生が手を叩くとその獣がゆっくりとこちらにやって来た。
「うわあ。」
生徒達は見たことのない獣に興味津津なようで目を輝かせて見つめていたし、中には拍手をして歓迎している子もいた。
「今日はラードーンに乗ってもらうぞ。先生がこれから指示を出すからくれぐれも注意するように。」
先生の言葉に生徒達は頷いた。
今回、生徒達が乗るラードーンは林檎園の黄金の林檎を守っている、100の頭を持つ茶色いドラゴンだ。長母音を省略してラドン、あるいは一部の長母音のみを省略や発音の違いから、ラドゥーン、ラードゥンとも言われることもあるけものである。そしてはテューポーンとエキドナの子の一人である。口から炎を吐き、一説では顎の関節が尾にある為、体全体が口のようになっており、百の首を持つといわれている。常に眠らずに黄金の林檎を守っている。
みんながワクワクしているとケンタウロスが先生に質問をした。
「先生、僕は天文学の授業でラードーンはりゅう座と教わったのですが本当なのですか?」
「もしや、アレキサンダー先生の授業ですか?アレキサンダー先生は生徒達に実に愉快に教えますからね。そしてケンタウロス君その通りですよ。この子はヘーラクレースの十二の難行、『金の林檎を取ってくる』冒険の際に、口の中に蜂の巣を投げ込まれ、蜂に口の中を刺されて倒されたなどいくつか説があります。金の林檎を守った功績をたたえた神はラードーンを天空に上げりゅう座としたと書かれていましたね。」
先生とのやり取りの後早速ラードーンの乗り方を教わり、生徒代表でケンタウロスとアストライアが乗ることになった。2人を乗せたラードーンは大空を高く飛んだ。そして学校のグラウンドに戻ってくると雄叫びをあげた。これには生徒達も拍手喝采だった。