第4章 Run at full speed!!
マールスの話には感心されっぱなしだった。
「あら、もう夕食の時間が過ぎてるわね。それじゃあ、明日会いましょう。ケンタウロスは用心した方がいいわね。」
ウンディーネが時計を見て言った。
「うん、そうするよ。」
みんなはテーブルの食器を片付けて寮へと戻って行った。
ケンタウロスとディオは寮に戻るとユニとキューピッドに話して聞かせた。
「明日で最後のオリンピア祭かあ。でもこのままエリゴスが圧勝だったらケンタウロスが可愛そうだよな。」
キューピッドはケンタウロスの肩を叩いた。
「ケンタウロスは負けたらあいつらの下僕になるんだろう?」
ユニがそう聞いてきたのでケンタウロスが答えた。
「本当だったらね。でも僕もあいつらが不正してるんじゃないかって、そう思うんだ。だから明日ギュム先生に言ってあいつらを調べてもらえないか頼んでみるよ。」
「その方がよさそうだな。」
そんな話をした後みんなで風呂に入り歯を磨いてこの日は寝た。
みんなが眠りについてもケンタウロスは明日のことで頭がいっぱいだった。
そういえば前にエリゴスの父のことを聞いたことがあった。たしかフルーレティという人でないかと言われている。フルーレティとは、ヨーロッパに伝わる上級悪魔の一人で6柱の上級精霊(悪魔)の1柱とされており、グリモワールによるとソロモン72柱のバティン、エリゴス、プルソンの3体の悪魔を直属の部下として配下にしており、自らはルシファーベルゼブブアスタロトに仕えていると言われている。
とても仕事が速いようで、命じると夜のうちに全て片付けてしまうといわれている。また、望む場所に雹を降らせると言う危険な能力を有している。 そんな人である。
本当はエリゴスの父というより育ての親の方が近いかも知れない。
「ふーん。あいつも複雑な家庭で育ってきたんだなあ。なんだか僕と似てるなあ。」
ケンタウロスはそう呟くと布団を被り眠りに入った。
明日はいよいよオリンピア祭も最後になります。3日目の最後の種目は円盤投げ、やり投げ、レスリングです。毎回レスリングは大いに盛り上がるとのことなので頑張っていただきたいですね。
窓の外には星が煌めいていてとても幻想的だった。そしてみんなが不安の最終日は波乱万丈となるのでしょうか?