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時と光と風の中で

第4章 Run at full speed!!


ついにオリンピア祭が来た。男子生徒達が練習の成果を発揮するチャンスだ。
ファンファーレが鳴り男子生徒達が寮ごとに別れ、グラウンドに集まった。
「皆の諸君。ごきげんよう。今日は絶好のオリンピア日和であるからにして大いに練習の成果を発揮してもらいたい。」
校長先生が壇上に上がりこう言い終わると生徒達から拍手が送られてきた。
そして女子生徒達も会場に入り寮ごとに客席に着いた。
「それではまず、詩の大会から参りましょう。」
ギュム先生の合図で男子達がそれぞれ席に着いた。
「それでは始め!」
詩が書けた人から順番に発表してより優れた人がポイントが加算されていくのだ。
まず、ディオが手を挙げて詩を読み上げた。
「大地の涯のとおい境、スキュティアの郷の、人の気もない荒れた野路へやってきたが、 ヘーパイストス、あなたは、……任務を果たさなければなりますまい。」
ディオが読み終えると会場は拍手に包まれた。
それに負けじとアマイモンが手を挙げて読み上げる。
「あの男の話をしてくれ、詩の女神よ、術策に富み、トロイアの聖い城市を 攻め陥してから、ずいぶん諸方を彷徨って来た男のことを。」
こちらも拍手喝采だった。それから先輩達も続々と詩を読み上げていく。
そしてケンタウロスの番が来た。
「ケンタウロス頑張って!」
ガイアが客席で必至に応援している。それを横で見ていたウンディーネがガイアを睨んだ。
「ケンタウロスを応援してるなんて私はあなたと友達じゃないみたいね。」
「私は別に構わないわよ。」
2人がそうこうしているうちにケンタウロスが手を挙げた。
ガイアが唾を飲み込み見守る。それを呆れているウンディーネ。
「控えちゃおられぬ。問答無用。わしがおぬしを嫌うのは、その皮剥いで切り刻み、騎士の靴底にしようと思うかのクレオーンにも劣らぬのだ。」
ケンタウロスが詩を読み上げると一段と歓声が上がった。
それから暫く詩のやり取りが続いた。次はキューピッドが手を挙げて詩を読み上げた。
「黄金のアフロディーテーなくして何の人生、何の悦びぞ? そんなことがもはや我が身におこらぬなら、死んだ方がましというもの。」
キューピッドの愛の告白に歓声が上がった。それを見ていたアフロディティーが恥ずかしそうにしていた。
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