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時と光と風の中で

第4章 Run at full speed!!


次の日からケンタウロスはガイアと手を組み特訓を開始した。相変わらずウンディーネとは顔を合わせないし、ディオとは寮で一緒でも話すことはなくお互いにそっぽを向いていた。
学校の授業が終わるとケンタウロスは急いで鞄に教科書などを詰めて走ると寮へ行き、それからグランドまで駆けつけた。
「遅いではないか!」
すると既にガイアは到着していた。
「ごめん。ガイアは本当にやることが早いなあ。」
ケンタウロスが息を切らしているとガイアがケンタウロスに聞いた。
「種目の確認だけど詩の大会、スタディオンの距離を走る中距離競走、ドリコス走長距離走、ペンタスロン(短距離競走、幅跳び、円盤投げ、やり投げ、レスリングの5種目)でいいんだよね?」
ケンタウロスはガイアの言葉に頷いた。
「恐らく全部の種目に勝つことは無理であろう。そこでいくつか絞ろうと思うのだがケンタウロスにとってやりやすい競技はあるかね?」
ガイアはケンタウロスの肩を掴んでにっこりした。
「う~ん、そうだなあ。走長距離走、中距離走、円盤投げ、やり投げは得意かな。」
ケンタウロスは考えながら言った。
「なるほど、じゃあ苦手なのは?」
「短距離走とレスリングが苦手なんだよね。」
ケンタウロスは苦笑して当たりを見回した。
ガイアはケンタウロスの肩から離れると少し周りを歩きながら考えていた。
「得意なのを伸ばして苦手なのを克服かあ。まずは得意なやり投げをやってみせてよ。私は遠くで見ているから。」
ガイアの言葉にケンタウロスは早速やり投げを始めた。
「結構飛ぶじゃない。いいわね。次は円盤投げをやってみて。」
こうしてケンタウロスとガイアの特訓が始まったのである。
「でもオリンピア祭までもうすぐなのに間に合うのかな?」
ケンタウロスはふと円盤を投げる前にそう呟いた。
「あら、だから私は特訓に付き合ってるんでしょう。あっディオがこっちに来るわ。隠れて!」
ガイアの合図にケンタウロスと2人で茂みに隠れた。
しばらくしてディオが去ったのを見て2人で胸をなでおろした。
「よかった。でもこんなことでいちいち隠れてたらキリがないね。」
「確かにそうね。」
この日の特訓は夕方までに終わったが2人とも結構汗をかいていた。
「明日もやるから来てね。遅れないでよ。」
こうして2人の特訓の日々が暫く続いた。
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