第4章 Run at full speed!!
3時間目の授業も終わりお昼の時間となった。生徒達は続々と広間に集まった。
ケンタウロスはディオとウンディーネ、ヘファイストス、ヘルメスと食事を取ることにしてみんなで席に着いた。
「なあ、悪魔のクソって知ってるか?」
食事が運ばれてくるなりヘファイストスがみんなに聞いた。
「ああ、魔法の調味料なんだろう。」
ケンタウロスが頷いた。
この日のメニューはオリンピアの期間だけあって色んな料理がテーブルに並んだ。
★古代アテナイ風キャベツの前菜
★浮きオリーブ
★秘儀おかゆ
★悪魔のクソ風味マグロとヤギ
★女性器型の神聖ケーキ
【最後のケーキがぞっとしますが古代ギリシャではこんな料理を食べていたんですね。古代ギリシャの方は甘党だったようです。なので前菜に蜂蜜は欠かせなかったみたいです。そして古代ギリシャではスプーンなどの食器はなく、パンをヘラ代わりにして掬って食べていたとのことです。】
「あの調味料ね。別名『悪魔の糞』『悪臭を放つガム』と呼ばれる香草アサフェティダ(≒シルフィオン)のことよね。どうかしてるわ。」
ウンディーネがお粥を口に運んだあと笑った。
「僕はあの味が嫌いだな。うわぁ今日もまたこの前菜かよ。勘弁してくれよ。」
ディオが鼻をつまんだのでケンタウロスが言葉を足した。
「たしかにキャベツの青みとビネガーの酢っぱさが残るよね。」
そんな話をして食事をしているとエリゴスがウンディーネの所にやって来た。
「おい、お前が出しゃばるからこっちは恥をかいたんだぞ。なんとか言ったらどうなんだ?」
「あら、言い掛かりはよしてよ。私は普通に答えただけだわ。あなた達もそうやって人のことばかり悲願でないで自分で努力すればいいじゃない。だって王族の出なんでしょう?だったら恥をかかないようにやりなさいよ。今日だって授業前に確認しておけば忘れ物をせずに済んだのに。」
ウンディーネはエリゴスの方を振り向いてクスッと笑った。
「何がおかしい?」
エリゴスが怒りで真っ赤になって聞きいた。
するとケンタウロスがウンディーネを遮ってこう言った。
「おい!さっきから聞いていれば失礼にも程があるぞ。今度のオリンピア祭で僕と勝負だ!負けたら召喚魔法を使ったことをウンディーネとヘルメスに謝るんだな。」
ケンタウロスの言葉にみんな耳を疑った。