第1章 出発~新たな出会い~
ケンタウロス達は寮に着くと先輩達から細かい説明を受けた。例えば門限は何時なのか、や立ち入り禁止区域はどこなのか等。先輩達の説明が終わると生徒達はそれぞれの部屋に荷物を置きに行った。
「そっか。女子寮と男子寮があるんだよな。じゃあ、また会おう。ウンディーネも女子の友達作れよ。」
ディオ少年とケンタウロスが彼女に手を振ってここで一旦別れた。
「あなた達もね。」
彼女も彼らに手を振り去っていった。彼女と別れた後、ケンタウロスはディオと話しながら歩いた。
「さっきの悪そうな奴ら凄く感じが悪かったよな?。」
「だね。同じ寮じゃなければいいけどな。」
「まさかね。同じ寮ならびっくりだけどな。」
2人が笑いながら歩いていると男子寮へと到着した。ドアを開けて階段を上がるといくつもの部屋があった。
「僕らの部屋は305号室だ。」
ディオが確かめながら言った。
ここの学校は完全寮制度で部屋は何人かでシェアするようになっている。
ケンタウロスとディオは誰と同じ部屋になるのかワクワクしていた。そして部屋のドアを恐る恐る開けた。
ガチャッ。
「やぁ、君達と一緒か。真面目そうな人達で良かった。」
ケンタウロス達が入ってくるなりほっと胸を撫で下ろしているのはアフロヘアーに天使の羽が生えた・・・。
「君ってもしかしてキューピッドかい?」
ケンタウロスは驚いてその子に聞いた。
「そうだよ。僕はキューピッドって言うんだ。初めまして。」
キューピッドはにっこり笑った。
「そしてこっちは・・・。」
キューピッドの隣にはケンタウロスと同じような奴がいた。
「ごきげんよう。僕はユニ・コーンさ。ユニって呼んでよ。」
ユニはたて髪をかきあげて言った。
「ユニコーンって、僕とあまり変わらんな。」
ケンタウロスが呆れたようにそう呟くと”それはないだろう?”とユニが反応した。
「僕は完全なる馬だが君は半分人間じゃないか!!」
とにかく楽しい寮生活になりそうだと、ケンタウロスはディオと笑った。寮の仲間もいい人そうだし。部屋の設備も整ってるし。まあベッドは二段なんだけどね。
「ウンディーネもちゃんとやれてるかな?」
そういえばと思いディオが窓の外を見つめていた。彼女も上手くやっていればいいのだけれど。