第3章 夏休みに入って
暫くしたある日、学校でテストが行われた。先生達は決して3人を贔屓しなかった。そして後日、成績表が生徒達に配られた。
「やった~優が5つもあったぜ。ディオは?」
ケンタウロスはディオに聞いた。
「僕も居残りなし!やったね。でもウンディーネが心配だな。かなり焦っていたからね。」
ディオの言葉にケンタウロスは頷いた。
そこで2人はウンディーネの所に駆け寄って成績はどうだったか聞いてみた。
「テストを受けてる時は不安だらけだったんだけどね、私も大丈夫だったわよ。」
ウンディーネがにっこりと答えた。
「やったね。これで3人とも合格だな。」
3人は顔を見合わせて笑った。
「そういえば僕、妹に手紙書いてないや。」
ケンタウロスは思い出して言った。
「確かに戦いやテスト勉強で忙しかったもんね。3人でそれぞれ家族に手紙書かない?」
「いいね、やろう。」
3人は夏休みを前に家族宛に手紙を書いた。
ディオとウンディーネは父へ。ケンタウロスは妹へと手紙を書いた。(義理の妹なんだけどね。)
そして3人で学校内のポストへ手紙を入れた。
「届くといいね。」
季節は夏もすぐそこまで来ていた。生徒達は校長先生から張り紙事件のいきさつを聞き、終わったことを証明してくれた。
そしてそれぞれが夏休みの準備に取り掛かった。夏休みは学校を出て生徒達が家族の元へ帰るからだ。
「ディオとウンディーネともしばらくお別れだね。」
ケンタウロスがしんみりして言った。
「また会えるって。それまでさよならだな。」
3人は手を握り合った。
ケンタウロスは2人と分かれて汽車に乗った。するとそこにはユニとキューピッド、ヘルメスとヘファイストスの姿があった。
「やあ、みんな。」
「ご苦労だったな。」
ケンタウロスがみんなの所へ駆け寄るとユニがケンタウロスを労った。
「ユニ、ありがとう。これでしばらくみんなと会えないなんてさみしいな。でも学校に戻ってきたらまたよろしくね。」
ケンタウロスの言葉にみんなで笑い語り合った。
やがて汽車は出発して学校を去った。
ケンタウロスはキューピッドとユニと席に着いた後窓の外を見た。
「僕がいない間妹どうしていたのかなあ?」
ケンタウロスの義理の妹はまだ4歳と幼く泣き虫な女の子だった。なのでケンタウロスは自分が去って行ったことを知った妹はどんな気持ちだったのか考えていた。