第14章 キルケの秘密と魔法の扉
「本当に凄いわね。数えきれない人達がこの本に貢献して書いているということは短編集を集めた本なんだわ。全部で10巻もあるんですもの。」
ウンディーネも本の数に驚いていた。
「それは凄いね。通りでウンディーネが諦めるわけだ。」
ケンタウロスが感心して言った。
「それなのにこれを見てよ!これも、これも・・・これも全部の巻をあの子は読み終えてるわ。だって転校してまだ半年で?半年なんかじゃ読み終わらないわよ・・・。」
ウンディーネが頭を抱えて顔をテーブルに伏せてしまった。
「ああ、キルケのことね。なぁ、見ろよ。2巻何て名前が似た人が結構いるぜ。さすがに全員は覚えられないよ。でもさ、ウンディーネ?先は越されたけど僕らはこの本から何か得ないと・・・僕らもできることは協力するから一緒に頑張ろうよ。」
「そうだよ。時間は戻らないけどケンタウロスが話してくれかたらまたこうしてこの本のことを知れたんだ。少しでも読んでみようよ。」
ケンタウロスとディオがなんとか彼女をなだめて次に進むことができた。
「そうね。ここで嘆いていても仕方がないわ。まずは1巻から借りなきゃ。1巻は第1章 タレス、第2章 ソロン、第3章 キロン、第4章 ピッタコス、第5章 ビアス、第6章 クレオブロス、第7章 ペリアンドロス、第8章 アナカルシスそして第9章 ミュソン、第10章 エピメニデス最後が第11章 ペレキュデスこれだけあると1か月以上はかかるかも。ちょっと図書室の先生にどれくらいの期間借りられるか聞いてくるわ。2人はここで待っていてね。」
「わかった!」
ケンタウロスとディオが暫く待っているとウンディーネがやって来た。
「1か月は借りられるそうよ。2人とも本を運ぶの手伝って!」
「わかった。」
こうして少しずつウンディーネの読み進めが始まることになった。
「何かわかったら知らせてよ。」
ケンタウロスが本を運びながら聞いた。
「もちろんよ。食事の時でいいわよね?」
ウンディーネが聞いた。
「もちろんだよ。」
ケンタウロスとディオも女子寮の入り口まで本を一緒に運んだ。
「ここまでありがとう。あとはルームメイト達に運ぶのを手伝ってもらうわ。」
ウンディーネはにこやかにそう言った。