第14章 キルケの秘密と魔法の扉
学校が始まり生徒達が慌ただしく教室へと向かって行った。
この日の1時間目はクセノファネス先生の論理学だ。
「さて、授業が始まるぞ。みんな席に着きたまえ!」
クセノファネス先生が黒板に書きながら説明してくれている。
ケンタウロス達が真剣に聞いているのに対しオデュッセウスはだるそうに授業を聞いていた。その横でキルケが真剣にノートに書き写している。
「オデュッセウスはいつもこんな感じなのかな?」
「前の学校でもこんな感じだったらしいよ。」
ケンタウロスとディオは小声でそう言い合った。
それから授業が続き、魔法学、占い学と学び終えるとお昼の時間になった。
ケンタウロスはディオとウンディーネと食べることにした。
「私、もう一度ディオゲネス・ラエルティオスの『ギリシア哲学者列伝』を読もうと思うの。」
ウンディーネがトレイをテーブルに置いて言った。
「でも難しくて諦めていたんじゃなかったの?」
ディオが聞いた。
「そうだったんだけど、ケンタウロスが博物館で見たって言う話が気になって今日の放課後に図書室で借りようと思ったのよ。2人もよかったら放課後にどう?」
「ぜひ行かせてもらうよ。」
ケンタウロスとディオは頷いて言った。
「では決まりね。放課後は図書室に集合よ!」
「わかった。」
それからケンタウロス達は黙々と食事をした。
放課後になり3人で図書室に集まった。
「なんだかワクワクするわね~。」
ウンディーネがそう言いながら図書室に入りお目当ての本を探していた。
「あったわ。よかった~。ん?誰か読んだのかしら?」
「ウンディーネ、どうしたの?」
ディオが不思議そうに聞いた。
「読書カードにキルケの名前があるわ。悔しい!!先に読まれていたなんて・・・。」
ウンディーネは悔しさのあまり目に涙をためていた。しかし涙を拭いテーブルに本を置いた。
「凄い分厚い本なんだな~。全然気づかなかったけど12章もあるなんて読みごたえがすごいね。」
ディオがページをめくりながら驚いて言った。